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「骨折で7か月半も休養していた馬がいきなり勝てるほどG1レースは甘くない」というのは、評論家諸氏も言っていることですが、その通りです。
それに当然のことながら距離実績もありません。Tは、距離実績をつくるチャンスであった「Y賞」で4着に敗れました。
軸馬としての資格はありません。デビュー戦から4月までの聞に、各馬がどのように使われてきたのかが、これでよく分かります。
それに、どの馬が最もきれいなローテーションできているか、これもよく分かります。9月の新馬デビュー勝ちから、段階を経て3歳のG1レースに出走しました。
きれいなローテーションです。3歳戦を終えると一息入れて、G3からの出発、これも教科書どおりです。

ここで本当は勝っていれば万全だったのですが、2着に敗れたためにもうひと押しが必要になりました。それで、番組上の資格づくりとなる指定オープンの「Wステークス」に出走し1着。
フォローは完全にできました。平成3年に3歳のG1レースが社牝別になった(牡は「Aステークス」一本になった)ことで、このレースは番組上、以前にも増して重要な資格レースとなりました。
これを連対して、その後もきちんと資格づくりをしている馬は、間違いなく4歳G1の主役になれます。Bはそこで2着に連対し、その後の資格づくりもきちんとできました。
その時の優勝馬は、この「S賞」には出られない馬でしたから、実質的にBは、この「S賞」に限っては一番主役の座に近いということになります。こういうことが分かっていれば、2連勝で穴人気のSが軸馬になれない事情も分かってくるはずです。
また、他がみな芝2000Mの連対実績をもっている中で、これをもたないMも除外できます。Mは「共同通信杯4歳ステークス」を勝って万全のように見えますが、実は2000mでは勝ったことがありません。
それで、Bと同様に指定オープンを使うつもりだったのが、筋肉痛で断念。こういう「使うつもりが」というパターンは最悪のローテーションにつながります。
2000Mの距離実績は2着ながらもあるのだから、むしろ、ここはじっくり待機したほうがよかったのです。WとNでは、軸がBとなると、どっちもどっちです。

Wは、前走での軸馬資格の比較では新馬戦勝ちが決め手になりましたが、それも軸馬が決まった時点ではそれほどの決定打にはなりません。Wは2戦目で勝ち上がりましたが、Bはデビュー勝ちを決めているからです。
Nは前走成績ではWの下ですが、それによって、年明けG4、G2を連対したという番組上の実績をつくりました。そこで比較になるものは、斤量実績です。
前走は馬齢戦で問題にならなかった斤量ですが、ここは牡町Jの定量戦です。連対の実績をもつNにはプラス材料になることがお分かりいただけるはずです(もちろんBにはJで連対の実績があります)。
G1レースまでの過程が番組に則していなければ、軸馬の資格は得られません。「ダービー」も、そして「K賞」も同じことです。
〔ポイント〕賞金値が高くローテーションがきれいな馬に資格ありS重賞は、距離体系にそったステップをきちんと踏んでいるかどうかが、軸馬資格のポイントになります。さらに、G1レースにおける実績がものをいうレースでもあります。
当該レースに合った距離のタイトルホースには注意しなければなりません。といっても、昔々のタイトルでは用をなさないことはいうまでもありません。
馬の力が十分に発揮される時であるのかどうか、確認が必要です。その「時」というのは、やはり1年を単位としてみるべきでしょう。
というのも、番組というのは1年を単位として繰り返されているからです。1年毎に馬は成長し、年を取る。
それは人間よりも急速です。「昔の名前で出ています」組は、むしろ早々に除外したほうがいいこともあります。
そこで、この二点(ステップと実績)を確認するために、出走馬の過去1年の成績表が役立ちます。こうして見ると、枯れ木も山の賑わいといった馬がいかに多いかが分かります。

相手として浮上するケースがないわけではありませんが、軸馬としては不十分な馬が多いのです。ここでも、資格として必要な成績をあげている馬を単純に抜き出してみただけで、9頭に減ります。
軸馬探しは残った少数で行えばいいのです。
多頭数で、それらしい馬が出てくると、迷いもいろいろ出てきますが、いざ軸馬探しとなると、多頭数ではなくなるというわけです。距離別成績調べは面倒なようでいて、実は検討時間の短縮につながるのです。
賞金値が抜けて高いのはN、D。平均値を上回ったのはY、N、S。
平均値を少し下回ったのはT。残りの12頭は平均値を下回っています。
単純に抜き出した9頭のうち、賞金値が平均値より高いグループは、内枠からY、N、S、N、Dの5頭です。この5頭のうちNは、このシーズン初戦で徐外できます。
GIホースでもない馬が、なんのステップもなしにG1レースの軸馬にはなれないからです。残り4頭の比較では、Sが一枚落ちるでしょう。
1400M戦を勝って調子はいいようなので、相手としてなら面白いかもしれませんが、軸馬としては不十分です。G1ホースが3頭残りました。

これは年齢別の代表でもあります。4歳はN、5歳はY、6歳以上はD。
手順としては逆になってしまいましたが、メンバーをまず年齢によってグループ分けし、比較してその代表同士をまた比較するという作業は、重賞では必ずやっておかなければならないことです。ここではその作業なしで代表が選ばれてしまいましたが、これはG1だからこそのこと。
G2やG4レースでは忘れずにやっておきたいことです。さて、3頭のG1ホースですが、いずれもマイル戦での勝ち星です。
だから、G1を2勝して賞金値も一番高いNが優位に立つと見るのは、必ずしも間違いではないのですが、明確な比較の方法は他にあります。1勝目という項は、どんなレースで初勝利をあげたかを調べたものです。
前述したように、新馬勝ちには特別な意味があり、初勝利のレースはその馬の能力を知る目安になります。これによると、ダイタクへリオスは3戦目の新馬戦で勝ち上がっています。
もっとも詳しく調べると、1戦目は1400m、2戦目は1200m、そして、やっと勝ったのが距離の延びた1600M戦でした。これは、この1200M戦を戦う上で、明らかに他の2頭に劣る成績Nは、ともに初戦勝ちで問題ありません。

この2頭のどちらを選ぶかは迷うところですが、やはり軸馬であるからには、賞金値の高いJを除いたのは、本邦初出走のため賞金がないということもありますが、前にも15の例で述べたように、Jでの初出走で連対するためには、かなり厳しい条件がつきます。それをJはクリアしていないので、ここでは軸馬資格なしとみて最初から除外したのです。
賞金値がズバ抜けて高いのはMです。すでにG1レースを3勝している実力馬ですから、これは当然ともいえる数字です。
賞金値が平均値を上回っている馬は、その賞金値順にあげれば、R、T、M、Mの4頭です。

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